イタリア旅行
Il Mio Viaggio in Italia 2005


[7/4]

Grotte di Oliero

今日は昨日フランチェスコが話していた洞窟に行くことに。 それは、オリエーロの洞窟といって、バッサーノの北に有るらしい。
その前にフランチェスコの家によって、荷物を預けて行くことに。 フランチェスコのお母さんが居たけど、挨拶だけして水を2本持って行く。 1階はフランチェスコのお兄さんの家になっていて、今は宝塚にいるので留守だそう。 「ほら日本の名前」と彼は表札を指す。 ちなみに、私はそのフランチェスコのお兄さんとは面識が無い。 もちろん日本人だと言う奥さんにも会ったことはない。 この家は、ホテルからとても近いのだけどズリアーノ[Zugliano]というコムーネにある。 家のすぐそばをティエーネとの境界が通っていて、 ちょうどティエーネを拡張して行ったらはみ出した所という感じがする。 車はマロースティカ[Marostica]の前を通った。 この町は私が以前から注目している、人間チェスの町だ。 この位置なら時間的にも帰りに寄れそうだ。 それから、バッサーノの横を北に通り過ぎてブレンタ川[Brenta]の横を遡る。 ブレンタ川の奇麗な流れを見ながら、 川沿いの細い道をしばらく走るとヴァルスターニャ[Valstagna]というコムーネに着く。 そこにオリエーロの洞窟があった。 入り口には土産物屋とBARを兼ねた切符売場が有って、そこでお金を払う。 料金は公園と一緒になっていて、入ると散歩道のような感じになっている。 今日はまだだれも来たことがなかったのか、山道にはクモの巣がはっていた。
洞窟の入り口この小舟で入る
山道を登って降りたら洞窟の入り口があった。 洞窟は水上1mぐらいの高さの穴で、公園の池にある様な小舟で入るようになっていた。 11時に開くようなのでしばらく待つ。 辺りを見回してみると、川と言うかダムの池のような所だということがわかる。 奥の方に行ってみると、絶壁が池に浸かる所が洞窟になっている。 強いて言えば滝壷のような感じ。 洞窟の入り口にはパネルが置いてあって、有名人が来たとか、どんな動物が居るとか書かれていた。 誰か来たと思ったらダイビング姿の人が来て、どこに潜るんだと言うと奥の洞窟だと言う。 そうこうしているうちに、11時10分ぐらいにさっきの入り口の建物から説明員が小舟でやってきた。 なるほど山道は通らないのか。 では、小舟に乗り込んで出発。っていきなり頭を小舟の中に。 案内の説明員は小舟を横に張ってあるロープをたぐって動かしている。 入ってすぐは天井が2m程の小さな部屋になっている。 奥に入って小舟を降りると、小部屋が2つほど有って説明が始まった。 説明自体は、洞窟の説明でおなじみの鍾乳石が何に似てるので名前とか、成分とかである。 ここの水はアジアーゴ高原から何万年もかけて染み出た物で、 鍾乳石が千年で何ミリ伸びるとかそういった話が主。 もう一度小舟に乗ったら別の所と思ったら、最初の部屋の説明で、 「ここの水はアジアーゴ高原に供給していてその取水パイプがこれ」とか…
そんなこんなで20分ほどで説明は終わって、外へ。 すると、さっき見たダイビングの人たちの用意が出来ている。
しばらくのんびりしたあと、奥の洞窟の近くに行ってみることにした。 奥の絶壁は半円形にえぐれていて、下の方の水の奥に洞窟がある様だ。 洞窟の横が見晴台のようになっていて、振り返ると貯水池全体も見える。 ダイバーはこの洞窟に潜るっぽい。しかし、ここは静かで水も空気も奇麗でいいところ。 おまけにかなり涼しい。ダイバーを見ていたらついに水に入った。 岩場をバタバタ半分泳ぎながらこちらにやってくる。 3人いるらしく、最後の一人が遅い。その一人は声からすると女性の様だ。 全員集まったら、洞窟へ消えて行った。 あっこが心配して、「死ぬなんて事はないの?」と聞いたら、 フランチェスコは「たまに死んでる。でも明日の地方新聞に載ってなかったら大丈夫」との事。 うーん。何となく自然を満喫した我々は洞窟を後にした。

Bassano del Grappa

とりあえず昼食を取るためバッサーノ・デル・グラッパへ。 ここへまた来るとは思わなかった。 まずは食事ということで、フランチェスコが知っているお店へ。 ここでは私はビゴリというパスタを食べた。 あっこはストゥルーデル[Strudel]のパスタ版で、 普通はお菓子で食べる物なのでこれはフランチェスコもめずらしいといっていた。
ドルチェもマスカルポーネとコーヒーを混ぜた物で、 味は溶けたティラミスだったけど冷たいし美味しい物だった。
それから、フランチェスコが車の場所を変えると言うので、 ポンテ・ヴェッキオ[Ponte Vecchio]で待っておいてくれとの事。 小さい町で道も覚えてたのでポンテ・ヴェッキオにはすぐに着いた。 橋の下を流れるブレンタ川をみながらしばらく待った。 ポンテ・ヴェッキオは修復中で、中も外も足場が組まれてる状態。 普段は歩行者専用の橋の様だけどトラックも入ってくる。 これは写真に納めることも無いなあと思い、景色だけ撮ってたらフランチェスコが到着。 一緒に橋のたもとのナルディーニ[Nardini]のお店へ。そこでグラッパのミニチュアボトルを購入。 フランチェスコが「博物館は無いのか?」と訊ねると、ここには無いとのこと。
そのまま、いや、ナルディーニで買ったグラッパは隠して、ポーリ[Poli]のお店へ。 ここにはグラッパ博物館が有って、昔のグラッパを作るのに使った器具が置いてある。 何しろすごく近いのに博物館の事はナルディーニでは教えてくれないのだ。 きっと仲が悪いんだろうと推測。 グラッパ博物館に入って、ざっと中のものを見た。 グラッパを作る器具の歴史がわかる様に、いろんな器具が置いてある。 作り方もパネルやビデオで説明出来るようになっている。 とはいえ、全然広くないのですぐに見終る。 もちろん、イタリア語でかいてある説明とか読んでたら時間がかかるけど。
その後、入り口側のお店でグラッパの試飲をした。 フランチェスコは車の運転があるので私とあっこで。 ここは一本買っておこうと思ったけど、試飲した二種類でどちらがいいか迷う。 一つは博物館限定で中身が普通。 もう一つはおいしかったメルローを使ったもので、少し高いし限定でもない。 少し迷ったけど、メルローの物にした。 銅を思わせる金属製の円筒形の保護包装も付けた。これは前回来た時は紙製だったのに。
さて、任務完了。いや、もう少し町を見てから帰ることに。 と言うわけで、市庁舎など見てバッサーノを去った。
ブレンタ川[Brenta]
全長174km。源流はトレント県にあるカルドナッツォ湖[Caldonazzo]とレーヴィコ湖[Levico]で、 キオッジャの南側からアドリア海へ流れ出ている。
オリエーロの洞窟[Grotte di Oliero]
ヴェネト州ヴィチェンツァ県。ヴァルスターニャというコムーネにある。 洞窟は複数あることから、Grottaの複数形のGrotteになっている
公式サイト?
Googleマップの衛星写真
バッサーノ・デル・グラッパ[Bassano del Grappa]
ヴェネト州ヴィチェンツァ県。 グラッパ山の麓にある。前回の旅行は2002年
  • ポンテ・ヴェッキオ[Ponte Vecchio] - パッラーディオが設計したブレンタ川にかかる木製の橋。屋根がついている。
  • グラッパ博物館 - POLI社のお店に併設。入場無料。詳細は本文参照。 POLI社
グラッパ[Grappa]
ブドウの搾りかすを発酵させて蒸留した酒。アルコール度が高い。 同じ名前のグラッパ山が近くが名産地となっている(こじつけ?)。 グラッパ自体はそんな高い酒ではなく、密造されていることも多い(らしい)。 ただ、日本に入ってくるものは工芸品のような瓶に入った物が多いのと、 アルコール度数の高さから税金がかかっていて妙に高い酒になっている。
本文のナルディーニもポーリも、日本にはフードライナーが輸入している。 なんと博物館限定のグラッパも入手出来た。


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27-07-2005 A cura di Ciro